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イスラエル発 脳波による画像識別システム|画像認識のための効率的AI学習

  • 4月11,2019

イスラエル発の「脳波による効率的な画像識別システム」

~画像認識のための効率的AI学習(機械学習・深層学習)システム~

 

 

人間の脳による視覚コンテンツの検査・確認・分類
正確な視覚分析と注釈の高速・リアルタイムによる実行
AI学習と検証オンラインで人間の脳による分類能力を用いたシステム

 

従来の検査業務及びAIの課題

製造業をはじめ各種産業界において、従来の検査・分類業務では、作業員の熟練度や身体的コーディネーション能力に大きく依存しています。近年、老齢化や後継人材不足により、熟練作業員のスムーズな補填が困難な現場が多くなってきているため、何らかの手段でギャップを埋める事が急務となってきています。

一方、AIはコンピューターの性能向上により深層学習を核とした第三次ブームの様相を呈してきています。特に深層学習はAIと相まって、長い停滞と緩やかな進歩をであったコンピューターによる画像認識技術の領域に対して、特に画期的なブレークスルーをもたらせ始めています。その大きな利点としては、人間の先生からの学習範囲内に留まる従来の機械学習と比べ、一定の学習を完了して操業モードに入った後でもデータの蓄積に応じて独自で学習を続けていき、より確度の高い判定が可能となる事である。現在では、検査・検品といった分野から、車両の自動運転やドローンによる自動配達、パーソナルロボット、医療検診といった分野への可能性が開かれ始めています。バラ色の未来図の一方で、AI学習(機械学習・深層学習)には以下の課題があります。

  • AI学習の全般に共通するが、ニューラル・ネットワークの中間層においてベイズ・プロセスによって確率関数を構築していくため、判定の確度を上げるためには膨大なデータ数(20,000~50,000程度)が必要とされ、特に深層学習においてはデータ数が重要。
  • AIの市販パッケージはそのままでは使途に耐えず、カスタマイズ及び確度を最低でも80%程度に上げる基礎学習が必要で、これにも>20,000のデータと然るべき時間とコストが必要となる。
  • 更には操業側で継続学習と検証・再教育を継続する事で、確度を>90%(製造業では>95%)にまで向上させる必要で、更に大きななデータ(>30,000追加)と然るべき時間とコストが必要となる。
  • ユーザーによっては、基礎学習に多くのデータを得られず(<<10,000)、操業に入ってから継続学習・検証・再教育させる必要がある場合があるが、この際には然るべき専門知識と大きな時間とコストが必要となる。

 

イスラエル発の「脳波による高効率画像識別システム、高効率AI学習システム」

イスラエルの脳波検知システム開発企業「InnerEye」は、その先進的ヒト機械インターフェイス機能により、作業員の脳波と機械を連動させる事で、従来の検査・分類業務において精度を高めつつ所要時間を十分の一に大幅に効率化する事に成功しており、一部の国際空港の手荷物検査において実用化に向けた実証実験が進められています。

一方、AIモデル作成時に複雑なヒトの判判定過程の移植を可能とする、先進的ヒト機械インターフェース機能を有する同技術をAI学習に応用する事によって、上記のような現状課題を解消する試みも行われており、特に有効と考えられている画像認識のための効率的AI学習システムの開発にも取り組んでいます。同社は、本年3月に米国カリフォルニア州サンノゼので開催されたNVIDIA GTC カンファレンスにおいて出展し、本技術によってNVIDIAのあらゆるGPU で実行されている AI モデルの学習時間を従来法と比較において精度を高めつつ所要時間を十分の一に削減出来る事を示しています。

本技術は下記のようなアプリケーションへの適用が期待されています。

 

期待されるアプリケーション

製品の検品・分類の効率化
検査作業員の集中力・疲労度・パフォーマンスのモニタリング
製作段階でのAI学習用の効率化・簡素化
操業現場における追加AI学習の効率化・簡素化

 

「脳波による効率的な画像識別システム、効率的AI学習システム」開発の狙い

ご存知の様に、製造業をはじめわが国の各種産業界では、社会の老齢化と後継人材の不足が深刻な問題になってきています。従来の検査・分類業務では、作業員の熟練度や身体的コーディネーション能力に大きく依存しますが、かかる状況から熟練作業員のスムーズな補填が困難な現場が多くなってきているため、何らかの手段でギャップを埋める事が急務となってきています。このギャップを埋めるのが本システムです。

一方、活況を呈するAI市場においても、企業による適用が進むにつれ、様々な課題が露呈してきました。その最大のものは、AI学習に要する膨大なデータ処理とそれに伴う多大なコストと時間です。AIは上手く学習させれば大変強力なツールとなりますが、不十分な学習では判定確度が上がらず、高価な買い物となってしまいます。実際に高額なAIシステムを導入したものの、満足されていない企業も散見されるようです。本システムは、企業にニーズにお応えして、検査・判別・判定・分類に関する画像認識AIシステムの継続学習を、企業が望む基準に基づいて実現するものです。

東朋テクノロジーとInnerEyeはパートナーシップを検討中

東朋テクノロジーと、当技術開発企業InnerEye社は、用途拡大と日本市場における事業開発を目的として、パートナーシップ締結を検討しています。InnerEye社の有するヒト機械インターフェース技術と、東朋テクノロジーのエンジニアリング技術/センシング技術などを融合し、製造業の現場へ新たな価値を吹き込む可能性につき模索しています。

当該技術にご興味をお持ちの、またはAI学習に問題意識をお持ちのお客さまは、是非お問い合せください。