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ワイヤレス給電でケーブルの無い世界へ

  • 7月11,2019

2000年代に入って、スマートフォン・スイカなどの民生品だけでなく、産業用途のワイヤレス給電が急速に普及しています。

そこで、ワイヤレス給電の歴史や方式について、ご紹介します。

1.ワイヤレス給電の歴史

1831年にファラデーの発表した電磁誘導原理がワイヤレス給電の元となっています。

その後、1901年にニコラ・テスラが世界システムという送電装置を構築しましたが、電磁波が低周波であり拡散し失敗に終わりました。

その後、1964年にW.C.ブラウン氏がマイクロ波を使用したワイヤレス給電を成功させ、様々な研究がされたが目覚ましい進展はありませんでした。

急激に進歩したのは、2007年に磁界共鳴方式のワイヤレス給電をMIT(マサチューセッツ工科大学)のチームが成功させたことがきっかけです。翌年、WPCというワイヤレス給電の規格を策定する標準化団体が設立されました。

WPCは規格「Qi(チー)」を策定し、「Qi(チー)」により製品化が進み、ワイヤレス給電が世の中に知られるきっかけとなりました。

 

2.ワイヤレス給電の方式

ワイヤレス給電の主な方式は

ワイヤレス給電は電界や磁界でエネルギーを伝送する非放射型と、電波(マイクロ波)やレーザなどでエネルギーを伝送する放射型に大別されます。非放射型は基本的にエネルギーロスをできるだけ低減するように設計されるので、伝送効率はよいものの伝送距離があまり良くありません。これに対し、放射型は遠方まで伝送できますが、漏洩するエネルギーロスが大きく伝送効率があまりよくありません。

非放射型のワイヤレス給電としては、磁界結合型と電界結合型があります。このうち磁界結合型の電磁誘導方式は、コードレス電話や電動歯ブラシなどのバッテリ充電に広く利用されてきました。電磁誘導方式によりワイヤレスでスマートフォンなどのモバイル機器のバッテリをワイヤレスで充電する電磁誘導方式(Qi規格など)の充電台パッドや充電スタンドは、さまざまなタイプのものが普及しています。

また、磁界共鳴方式はSuiCaカードやHV,EVの充電器などに使用されています。

 

表1.電磁誘導、磁界共鳴の比較表

 

 

3.ワイヤレス給電のメリットとは

ケーブルからの解放
電源ケーブルの抜き差しや配線が不要
断線やコネクタの劣化・消耗の心配不要
感電したりする危険性もなくなる

 

ワイヤレス給電技術が普及すれば、めんどうなケーブル接続の手間から解放されるだけでなく、給電や充電を意識せず、電池切れを心配する必要がなくなり、より便利で快適な生活が実現することでしょう。

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